WordPress『マルチサイト』#1 複数サイトを一括管理する便利な機能を紹介

WordPress『マルチサイト』#1 複数サイトを一括管理する便利な機能を紹介

WordPress のマルチサイト機能を導入すれば、複数のWebサイトを1個のWordPressで管理することができます。

マルチサイト機能は、企業のコーポレートサイトと採用情報サイトといった親子関係のある Web サイトや、同じレイアウトで複数のエリア・ジャンルごとのブログをサブディレクトリで作る場合などにたいへん役に立ちます。

今回の記事では、マルチサイト機能を使ってできることと、マルチサイトのメリットをご紹介いたします。

 

目次

 

  1. WordPress マルチサイト機能について
  2. WordPress マルチサイトの構成
  3. WordPress マルチサイトの種類
  4. WordPress マルチサイトのメリット
    4.1 新しい WordPressを設置する手間が省略できる
    4.2 複数のWebサイトで共通のテーマを利用できる
    4.3 ログインユーザーを一括で登録・管理できる
    4.4 プラグインを一括で追加・管理できる
    4.5 他のWebサイトの投稿を簡単に出力できる
  5. 最後に

 

「Webサイトからお問い合わせが来ない…」とお悩みの方必見!
当サイトのノウハウを詰め込んだ『Web集客の無料ガイド』をご提供

1. WordPress マルチサイトとは?機能について解説

WordPress で Web サイトを作成していると、同じデザインの Web サイトを複数運営したいというケースがあると思われます。

例えば、イベント情報を紹介するブログを、東京のイベント情報サイトと、大阪のイベント情報サイトを別々の URL で運営したいといったケースです。

マルチサイトを使用しない構成

この場合、サーバーに東京用の WordPress と大阪用の WordPress を別々に設置して、それぞれの WordPress に同じテーマを入れれば実現することができます。

ただしその方法ですと、Web サイトのデザインを変更したくなった場合に、両方のサイトテーマを修正する必要があります。また、両方の Web サイトに全く同じ内容のページを作りたい場合に、それぞれの管理画面にログインして、それぞれ記事を作る必要があります。

Web サイトが2つや3つの場合はまだそこまで大変ではありませんが、47都道府県分のブログを管理するとなった時に行き詰まってしまいます。

このような事態を解決するために、WordPress にはマルチサイトという機能が標準で用意されています。

マルチサイト機能を使えば、1個の WordPress で複数の Web サイトを管理することができます。

2. WordPress マルチサイトの構成

 

サーバーに設置する WordPress は1個で OK です。WordPress のマルチサイト機能を有効化すると、複数の Web サイトを1個の管理画面で投稿・操作できるようになり、それぞれの Web サイトに対応する保存領域がデータベースに作成されます。

マルチサイトを使用した構成

それぞれの Web サイトで、異なるテーマを使用することも同じテーマを使用することも可能です。

同じテーマを使用している場合、参照するファイルも同じなので、1回の修正で一気に全ての Web サイトのデザインを変更することができます。

データベースは共通ですが保存領域(テーブル)が違うのでそれぞれのWebサイトの投稿が混ざりあうことはありません。

ただしデータベースは同じなので、別サイトの投稿情報を簡単に取得する方法もあります。

次の画像はマルチサイトを有効化した WordPress の管理画面です。

これまでの管理画面と一部メニューが変わっていたり、ヘッダーバーのメニューが増えていたりします。

左側メニューの「サイト」をクリックすると、Web サイトの新規追加やこの WordPress に登録されているマルチサイトの一覧、サイトの URL などが確認できます。

それ以外は通常の管理画面とほとんど変わりません。

管理画面の操作方法については、次回以降に説明いたします。

3.WordPress マルチサイトの種類

WordPress のマルチサイトは、次の3つの種類に分けられます。

  • サブドメイン型
  • サブディレクトリ型
  • 複数ドメイン型

それぞれの特徴を知り、サイトの目的に合った運用をしましょう。

3.1 サブドメイン型

サブドメイン型とは、1つの独自ドメインを区分けして使う運用方法です。

例えば、ある企業が複数のサイトを運用しているとします。しかし、それぞれのサイトで扱っているジャンル・コンテンツは全く別物です。この場合、それぞれ独立したサイトでありながら同じ企業が運用していることが分かるように、サブドメインを使うことがあります。

サブドメイン型_マルチドメイン

1つのサイトで複数のジャンルを扱えることや、新しくサイトを作るよりも作業の負担がかからないなどの特徴があります。

3.2 サブディレクトリ型

サブドメインと似ているサブディレクトリですが、使い方は異なります。サブディレクトリ型は、1つのテーマを細かく分類するときに使うことが多いです。

サブディレクトリ型_マルチドメイン

ディレクトリを増やすだけのため、分類は手軽に行えます。

注意点は、サブディレクトリは URL の一部になるということです。サブディレクトリを変えてしまうと、URL が変わり、そのページの検索エンジンからの評価がリセットされてしまいます。

後になってディレクトリを変更することのないよう、慎重に分類していくことが求められるでしょう。

どうしても変更する場合は、リダイレクトの設定を行ってください。

3.3 複数ドメイン型

複数ドメイン型は、1つのサーバーで複数の独自ドメイン(サイト)を運用する方法です。

複数ドメイン型のマルチサイトを運用するには、サーバーが複数ドメインに対応している必要があります。事前に確認しておきましょう。

複数ドメイン型のメリットとしては、サーバーが同じなため一度に WordPress のアップデートが行えたり、サイトごとにサーバーをレンタルする必要がなくコストが抑えられたりすることが挙げられます。

一方、サーバーに問題が発生すると運用している全てのサイトに影響が出てしまうことがデメリットです。

4. マルチサイトのメリット

 

ここからは、マルチサイトを導入するメリットについて詳しく説明いたします。

 

4.1 新しい WordPress を設置する手間が省略できる

まず当然ですが、インストールする WordPress が1個でいいので、WordPress の新規設置・初期設定にかかる手間が省略できます。

WordPress のバージョンの更新も1回で全ての Web サイトに反映されますので、とても楽です。

 

4.2 複数の Web サイトで共通のテーマを利用できる

マルチサイト機能を利用した時に最もメリットを感じるのが、すべての Web サイトで共通のテーマを利用できることです。

テンプレートファイルを編集したり、デザインやレイアウトなどを頻繁にカスタマイズする方は特にその効果を実感できると思います。

同じようなデザインの Web サイトを量産する際には、ぜひマルチサイト機能を試してみてください。

ただし、配布されているテーマによってはマルチサイト機能に対応していないものもありますので、導入の前にテーマの配布ページやドキュメントの注意書きを読むなどして事前に確認をしてください。

 

4.3 ログインユーザーを一括で登録・管理できる

複数人でブログの投稿・編集や Web サイトの管理を行う際に便利さを実感できる機能です。

サイトネットワーク画面(サイト全般に関する設定を行う画面)でユーザー名とメールアドレスを登録すると、全ての Web サイトでそのユーザーのアカウントが追加されます。

追加されたアカウントは Web サイトごとにユーザーのロール(役割)を設定できますので、

「Aさんはサイト1のみ投稿可能」
「Bさんはサイト1の管理者かつサイト2では投稿のみ可能」

といった複雑な設定を行うことも可能です。

ユーザーアカウントの管理はマルチサイト機能の中でも少し複雑なので、慣れるまでは少し苦労するかもしれませんが、すべての Web サイトにユーザーを登録していくよりはるかに楽なので、ぜひ覚えて使いこなしてください。

 

4.4 プラグインを一括で追加・管理できる

サイトネットワーク画面で、使いそうなプラグインをあらかじめインストールしておくことで、すべての Web サイトでプラグインが利用できるようになります。

また、各サイトでどのプラグインを有効化するのか選択することも可能です。

1つひとつの Web サイトにプラグインをインストールする手間が省けるだけでなく、すべてのWebサイトでプラグインのバージョンを揃えることができるので互換性に的にも便利です。

ただし、テーマと同様にマルチサイト機能に対応していないものもありますので、プラグインをインストールする前に必ずマルチサイトに対応しているか確認をしてください。

 

4.5 他の Web サイトの投稿を簡単に出力できる

switch_to_blog() 関数を使えば、あるWebサイトに投稿された記事や固定ページを別の Web サイトでも出力することができます。

同じサーバーのデータベース上に存在する情報なので、REST API などを使って参照・出力するより簡単です。

サイトB、サイトC、サイトDに投稿された記事をサイトAで一覧表示するなど、親子関係があるサイトを作る際に特に便利な機能です。

 

5. 最後に

今回は WordPress のマルチサイト機能について、構成のイメージと導入するメリットをお伝えいたしました。

マルチサイト機能が役に立つケースは限られていますが、同一のサーバー上で複数の WordPress サイトを管理する機会があれば、ぜひ試してみてください。

本記事の続きとなる第2回目では、複数サイトを一括管理する機能の導入方法について解説します。


WordPress『マルチサイト』#2 複数サイトを一括管理する機能の導入方法
https://knowledge.cpi.ad.jp/cms/wordpress2/

関連タグ:

CPIの最新情報をTwitterでチェックできます!
@cpiadjp
次へ
前へ